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日立の家電品エアコン

Story3 その先の快適性と省エネをめざし、進化し続ける日立の画像処理技術。 Story3 その先の快適性と省エネをめざし、進化し続ける日立の画像処理技術。

それは、前例のない未知へのチャレンジ。

日立グループの画像処理技術は、さまざまな分野に活かされています。車載カメラによるクルマの自動運転システムや指内部の静脈の特徴を画像処理して本人を認証する『指静脈認証システム』など、その可能性は無限です。 “もし、エアコンに人の視覚のような機能を持たせたら…”という斬新なアイディア。それは私たち画像処理チームにとって、これまで無縁と思われていたカメラ(画像処理技術)とエアコンの技術を融合させる、未知へのチャレンジでした。従来のセンサーは、人の居場所は分かりますが、何人いて、何をしているのか、といったことまでは検知できません。しかし、カメラを使えば、あらゆる状況をズバリ見渡すことが可能です。

エアコンと画像処理。二律背反する技術をひとつに。

しかし、実現の前には、さまざまな問題が山積していました。画像処理は、写真や映像から受け取った情報を目的に応じて加工したり、特定の情報だけを取り出したりする技術であり、その情報処理量は膨大なものになります。この膨大な情報処理をエアコンのCPUで行うわけですが、すでに多機能化しているエアコンにおいては、画像処理の情報を処理するための余裕はありませんでした。

““人に的を絞る”、それが“見る技術”への突破口。

これらの問題に対し、私たちが導き出したひとつの答え、それは“人に的を絞る”ことでした。エアコンのカメラに必要なのは、セキュリティシステムのように室内すべてを見ることではなく、“何人の人が、どこで、何をしているのか”を見ることであり、その情報をもとに温度や気流をコントロールすることです。私たちは、人に的を絞り、画像処理量を少なくすることで、エアコン用CPUでも充分対応できる、コストパフォーマンスの高い画像処理をめざしました。しかし、ここで次の壁にぶつかりました。人を認識するためには、顔などの特徴を抽出することが不可欠なのですが、エアコンのカメラでは、それがむずかしいのです。

人を把握する新技術。

たとえば、自動販売機などに搭載されている『顔認識システム』なら、人はカメラに顔を向けますが、エアコンのカメラに顔を向ける方はいません。しかも在室者の動きも変化します。そこで私たちは、頭、胴体、足といった人の特徴を抽出・認識するエアコン用の画像処理技術と、これに設計部門が作り上げた、人の動きをパターン化したデータを組み合わせ、在室者の人数、位置、動き(活動量)の大小など、あらゆる状態を正確かつスピーディに把握することに成功しました。エアコンにおける画像処理の理想を追求した[くらしカメラ]。それは日立グループの高度な技術の結晶です。

人が正面を見ていなくても頭、胴体、足といった人の特徴を抽出・認識することで人を把握。

映るくらしの中に、その先の快適性と省エネのヒントがある。 映るくらしの中に、その先の快適性と省エネのヒントがある。

2014年度[くらしカメラ ツイン]には、梁の交点や遠近法を使って、室内の映像を線で分解し、奥行きや間取りを認識する、エアコン専用の画像処理技術を開発。しかも、従来、複数のカメラで把握していた奥行きや間取りをひとつのカメラで認識することも実現。これによりLDKだけでなく隣室の状況も把握できるようになりました。『温度カメラ』も搭載し、在室者の周囲の温度を検知する機能を追加。

2015年度[くらしカメラ 3D]には、画像カメラの映像に近赤外線の画像を重ね合わせ、気流をさえぎる家具の位置や形状を認識し、気流の通り道を見つける『ものカメラ』を開発。

2016年度[くらしカメラ 4]には、『近赤外線LED』の反射率がカーペット、フローリングといった床ごとに異なる点に着目し、床の種類まで把握できる『お部屋カメラ』を搭載しました。

2017年度[くらしカメラ AI]には、300,000画素CMOSイメージセンサーを採用した画像カメラ、温度カメラや近赤外線LED技術を搭載。お部屋にいる人を識別して、それぞれの在室時間を把握します。さらに人数や位置、活動量、温度分布や湿度分布、床材や窓、家具までを認識。そこから得られるさまざまな情報を組み合わせて、高精度な空調制御を実現しています。

[Profile] 浜田宏一

2003年、(株)日立製作所 中央研究所 ユビキタスメディアシステム研究部入社以来、映像・画像処理を専門とした研究に携わる。
現在、 (株)日立製作所 テクノロジーイノベーション統括本部 メディア研究部で画像処理研究に従事。