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製品安全対策優良企業表彰(PSアワード)とは

製品安全対策優良企業表彰(PSアワード)は、2007年(平成19年)に創設された制度です。

本表彰は、製品安全に積極的に取り組んでいる製造事業者、輸入事業者、小売販売事業者、各種団体をそれぞれ企業単位で広く公募し、厳正な審査の上で、「製品安全対策優良企業」として表彰するものです。本表彰では、各企業が扱う製品自体の安全性を評価するのではなく、企業・団体全体の製品安全活動に関する取組について評価します。

また、本表彰は、次の「4つの視点」から評価されます。

  1. 安全な製品を製造するための取り組み
  2. 製品を安全に使用してもらうための取組み
  3. 出荷後に安全上の問題が判明した際の取り組み
  4. 製品安全文化構築への取り組み
※注...
取扱い製品そのものの安全性を評価するものではありません。

本表彰の受賞企業・団体は、受賞公表日より「製品安全対策優良企業ロゴマーク」を使用して、自ら製品安全対策の優良企業・団体であることを宣伝・広報することができます。

令和4年度 第16回 大企業 製造事業者・輸入事業者部門 技術総括・保安審議官賞 受賞

[受賞のポイント]

●製品安全実現に向けたガバナンスの強化
安全設計に関わるプロセスを再検証し、PSデザインレビューやPSリスクアセスメント実施をフェーズゲート通過要件に定め、そのゲート承認権限と運用のモニタリングについての品質部門の権限の明確化や、開発プロセスにおける品質部門の助言・支援機能の強化など、製品安全を担う品質部門の役割・権限の強化を志向し、事業所や設計開発部門等への牽制を図る一方で、連携強化も実現している。

●「死に様試験」のさらなる徹底による製品事故の未然防止
これまで行ってきた事故未然防止の取組をさらに進め、製品内部の部品等が焼損しても外部へ二次被害が及ばないことを確認する「死に様試験」については、対象とする設計変更点を拡大するとともに、試験の実施方法・判定基準を厳格化した上で自社開発のリスクアセスメント手法であるPS-PTAで評価し、販売開始後も定期的に再試験を行う形としている。

●製品安全を最優先する企業文化の醸成に向けた不断の努力と実践
「製品安全はすべてに優先する」という方針のもと、製品安全文化を育む仕組み・体制や人材育成について不断の努力を積み重ね、継続的な改善を図っている。さらに市場に投入したコネクテッド家電製品から製品の動作内容をビックデータとして収集し、使用実態や故障原因の分析への活用や故障診断、製品不具合の予兆・兆候診断の開発を志向するなど、新技術の製品安全実現に向けた活用を進めている。

平成29年度 第11回 大企業 製造事業者・輸入事業者部門 技術総括・保安審議官賞 受賞

[受賞のポイント]

●HHA(使われ方等ハザード分析)手法の着実な実践によるリスクアセスメントの精緻化
使用者の非常識な使用においても安全を確保できるか判断する「HHA(Handling Hazard Analysis;使われ方ハザード分析)手法」を運用し、新製品の開発時やフルモデルチェンジの場合だけでなく、マイナーチェンジの際にも実施している。また、消費者の使用実態の変化を勘案しながら、本手法のブラッシュアップを図り、事故の未然防止に向けたリスクアセスメントの精緻化を図っている。

●スマートフォンを活用した事故・不具合情報の早期把握
製品の修理依頼時や製品事故・製品不具合が発生した際に、自社のサービスマンが、スマートフォンを使用して記録した現場の写真や音の情報(作動音、異音など)を活用することで、修理時に不具合部分の写真や動画を迅速に入手できるようにし、工場との速やかな連携を可能にしている。

●さまざまなステークホルダーとの製品安全文化の醸成
製品安全実現に必要なステークホルダーに対し、積極的な製品安全教育を実施し、製品安全文化醸成に努めている。たとえば、サイレントチェンジ対策の一環として、自社工場だけでなく海外の部品・製品調達先に対しても、リスクアセスメント・死に様試験の教育、日本のPL情報・法規の教育を行っている。

平成27年度 第9回 大企業 製造事業者・輸入事業者部門 商務流通保安審議官賞 受賞

[受賞のポイント]

●リスクアセスメント手法の開発と継続運用
過去に発生した火災による製品事故の経験を経た、独自のリスクアセスメント手法(PSPTA)の確立。さらに製品の出荷から廃棄までの使われ方の予兆分析手法を開発し、一見、非常識と思える使用方法に対しても、事故の防止策を図っている。

●「死に様試験」による最悪事態での安全性確保
電気部品が発火した場合の最悪の事態を想定した条件下における燃焼試験などの「死に様試験」を実施・検証し、安全性確保を徹底している。さらに同試験を設計者に体感させ、設計改善にフィードバックするなど、設計力向上や社員教育に繋げている。

●社外との活発な連携強化
家電の火災現場で対応する消防機関を対象とした講演や、販売店への教育活動などを積極的に実施し、製品事故の拡大防止に貢献している。

平成19年度 第1回 大企業 製造事業者・輸入事業者部門 金賞(経済産業大臣賞) 受賞

[受賞のポイント]

●製品リスクアセスメントの設定・運用
消費者の視点から製品の安全性に関するリスクを評価し、そのリスクが許容できるか否かを決定する体制が適切に整備されている。

●不良発見表彰制度の推奨
組立不具合等の不良品を発見した社員を表彰する取組みを実施している。

●製品安全事故実体感教育の実施
事故品の提示、死に様試験の実施、会議時の説明等により、社員に拡大被害に至る状況や防止対策等を体感させている。